2023年度南関東公営競馬
重賞レース回顧 《10月》
10月4日東京盃(JpnⅡ)
大井1200m
優勝馬:ドンフランキー
好スタートを切ったギシギシだが、後続を映している間にスピードに乗ったドンフランキーが先頭で3コーナー。超絶ラップで水の浮く馬場だったにせよ1分10秒0のレコードタイム。初コース・初ナイターでも落ち着き払った走り、600キロ近い大型馬で重い地方ダート適性も抜群。今後のスプリント界を引っ張る存在。2着リュウノユキナは直線で外に出して猛追するも及ばず。3着ジャスティンもさすがは世界を経験しているだけあって転入後の復活は次走JBCへ期待が持てる。
10月5日レディスプレリュード(JpnⅡ)
大井1800m
優勝馬:アーテルアストレア
急遽の乗り替わりとなったアーテルアストレアだが、さすがレジェンド武豊騎手の見事な手綱さばきで二度目の重賞挑戦でタイトルゲット。3、4コーナーの手ごたえはグランブリッジの方が良く見えたが、直線追い出されるとしっかり反応して粘るライオットガールらをまとめ差差し切る強い内容。JBCレディスクラシックでも要注意。グランブリッジはスタートひと息で後方の位置取りになったが、道中はリズムよく追走できていた。決め手の差で2着も悲観する内容ではなく次走巻き返し。3着ライオットガールは上位2頭に比べ早仕掛けが仇となった。
10月11日鎌倉記念(SⅡ)
川崎1500m
優勝馬:サントノーレ
前走ブリーダースゴールドジュニアカップは伸びひと息で3着だったサントノーレが長距離輸送、左回りと初物づくしの今回、勝負根性をみせつけて重賞タイトルゲット。直線では一旦並ばれ万事休すかと思われたが、立て直させると再び伸びて完勝といえる内容。しっかり左回りの調教をこなしてきたのが実を結んだ。次走予定の全日本2歳優駿の有力馬に名乗りをあげた。前走大敗でもしっかり調整し直したライゾマティクスが執念の走りで2着確保。まだ成長途上の印象でこれから。馬群をさばいて追い込んだパンセが3着。これで重賞は2・3着だが、大崩れしない強みは今後生きてくる。
10月18日埼玉新聞栄冠賞(SⅢ)
浦和2000m
優勝馬:ジョエル
3番枠からマイペースに持ち込んでランリョウオーが軽快に逃げる。ぴったりマークするヴェルテックス。そしてルーキー鞍上のジョエルが3番手。折り合いに専念して直線仕掛けると粘るランリョウオーを交わし久々の重賞勝利を飾ったジョエル。高知への武者修行で技術向上、与えられたチャンスをものにする根性とルーキーらしからぬ騎乗ぶりで初重賞制覇の所騎手。斤量差のない重賞でこの勝ちっぷりは今後の活躍が楽しみ。自分の形なら崩れないランリョウオー、ユアヒストリーも転入後は掲示板を外さない堅実ぶり。
10月25日平和賞(SⅢ)
船橋1600m
優勝馬:カプセル
1番枠からマイペースの逃げで重賞初制覇のカプセル。一旦は並ばれ前に出られるもしっかり封じ込んで精神面での強さが感じられた。豊富なキャリアが実を結んだ印象で、今後の活躍も期待できる。2着キタノヒーローは好位でじっくり脚を溜めてよく伸びたが3/4馬身及ばず。田中淳司厩舎ワンツーの快挙。ともに器用な競馬で環境の違いにも対応、鎌倉記念でも勝利とやはりホッカイドウ強し。
10月31日ハイセイコー記念(SⅠ)
大井1600m
優勝馬:ダテノショウグン
2歳重賞が続くなか、好メンバーがそろった一戦。負けなしダテノショウグンがレベルの違いをみせつける圧勝。主導権を握った素質馬ライゾマティクスをあっという間に突き放し8馬身差。今開催から入れ替わった砂にも対応して来年のクラシックが楽しみな勝ちっぷり。マイペースの逃げで力は出し切ったライゾマティクスはまたしても2着とタイトルが遠い。重賞連破とはならなかったクルマトラサンは前走ほど弾けず。折り合いはついていたし、距離も大丈夫。