2023年度南関東公営競馬
重賞レース回顧 《5月》
5月2日若潮スプリント(SⅢ)
船橋1200m
優勝馬:メンコイボクチャン
ハーンドルフの逃げを番手でマークしたメンコイボクチャンが馬なりのまま絶好の手ごたえで直線に向くと、後続を振り切り重賞初制覇。人気はなかったが、楽に抜けだす正攻法で着差はわずかながら強い競馬。中団から脚をのばしたフジコチャンが2着。短距離の差し馬の印象でスプリント路線で要注意。3着クラティアラはスタートでの躓きが響いたが、良く粘った。
5月3日東京湾カップ(SⅡ)
船橋1700m
優勝馬:ライズゾーン
逃げたヘルシェイク、続いたチェルカトローヴァら先行勢には厳しい展開。道中、最後方から徐々にポジションを上げていったライズゾーンが見事な差し切りV。鞍上今野騎手の好騎乗に助けられた印象だが、大一番・東京ダービーの切符を獲得。位置取りを問わない自在性がここで活きたルクバーが2着。本橋騎手らしい直線勝負で3着に食い込んだコロンバージュ。
5月4日かしわ記念(JpnⅠ)
船橋1600m
優勝馬:メイショウハリオ
ヴァレーデラルナ、カジノフォンテンが先手を主張。向正面で動いたタガノビューティーは4コーナーをうまくさばいて競り合いに持ち込む。ハヤブサナンデクンは外目をいい手ごたえ、シャマルはごちゃつきを回避し内へ入る。上位勢がひしめき合う直線、力でねじ伏せるメイショウハリオがさすが帝王賞馬という風格の走り。次走予定の帝王賞連覇に向け視界良好。
5月10日羽田盃(SⅠ)
大井1800m
優勝馬:ミックファイア
逃げるポリゴンウェイヴをマークのミックファイアが4コーナー先頭の強気の競馬で結果6馬身圧勝。1分50秒9の驚異的な時計もさることながら、5か月ぶりの久々でマイナス体重。ここまでほかの馬たちがレベルの高い走りをみせてきたが、さらに上を行く内容。東京ダービー制覇の可能性は高い。ヒーローコールも自身の持ち時計を更新する激走だが、相手が悪かった。距離延長で逆転を狙うが…。スタートでの遅れが響いたサベージは3着。本番では乱ペースになればなるほど、末脚が生きてくる。巻き返しに注意。
5月11日東京プリンセス賞(SⅠ)
大井1800m
優勝馬:サーフズアップ
圧倒的人気の桜花賞馬メイドイットマムは前日の羽田盃もそうだったが、時計の出る馬場で前を捕らえるのに苦労し3着まで。瞬発力の差で見事二冠目を獲得したのはサーフズアップ。桜花賞では早め先頭からメイドイットマムの豪脚に屈したが、今回は一気に弾けて後続を封じた。いい具合に砂をかぶって折り合いに専念させる御神本騎手の手腕もさすが。2着ボヌールバローズは早め先頭から押し切りを狙うが、勝ち馬の能力が上回った。早めに先頭に立ち過ぎてソラを使っていたようで、タイミング次第では…。悔やまれる結果。
5月17日川崎マイラーズ(SⅢ)
川崎1600m
優勝馬:アイウォール
格下の存在ながら、トライアル完勝で出走権を得たアイウォールが同様に逃げの手で実力馬を翻弄。負担重量は2~3キロのアドバンテージはあったものの巧みなペース配分で集中力を切らすことなく先頭でゴールし重賞初制覇。マイル路線の新星誕生。2着スワーヴアラミスは転入後重賞でひと押し足りないが安定した走りをみせている。3着デュードヴァンは得意のマイル戦で思ったほど弾けず。最下位入線、人気のアランバローズは心房細動発症とのことで、復帰に期待したい。
5月24日大井記念(SⅠ)
大井2000m
優勝馬:セイカメテオポリス
カジノフォンテンが絶好調時の逃げを再現しマイペースで後続を引っ張る。直線に入っても上々の手ごたえで完全復活かと思われたが、吉原騎手騎乗セイカメテオポリスがしっかり捕らえる好内容。前半はロスなく進んでカジノフォンテンを射程圏という鞍上の好騎乗も光った。ダートグレードでも通用の力はあり、本格化した今なら。カジノフォンテンはマイル戦で見直したいレース内容。ライトウォーリアは逃げ馬を見る形もアナザートゥルースもいてスムーズさを欠いたが、番手なら捕らえられそうだったし、終いはまた伸びている。
5月31日さきたま杯(JpnⅡ)
浦和1400m
優勝馬:イグナイター
逃げるギシギシをスマイルウィがマークする展開。勝ったイグナイターはインでジッと我慢し4コーナーから外に持ち出し切れ味を発揮。鞍上の笹川騎手も二度目の騎乗で落ち着き払って好アシスト。JRA勢相手にダートグレード3勝目の快挙。直線先頭で押し切り狙ったスマイルウィは惜しい2着。持ち味は存分にみせた。3着バスラットレオンはサウジアラビア・ドバイ遠征帰りでもスピード馬らしい走り。外枠のぶん外々を回らされたのは痛かった。1番人気シャマルはスタートからスピードに乗らず殿りを追走するだけ。右後肢跛行のため競走中止。