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   第31回 「サトノタイガー、ジョーメテオ」

 いろいろネタはあると言いつつ、いつの間にか……2015年。肩の力を抜いて、注目陣営の調教取材ということにしませう。

 1月28日(水)、浦和競馬場で小久保智厩舎の追い切りがあったので顔を出した。浦和所属馬の厩舎村は野田トレーニングセンター(埼玉県さいたま市緑区上野田)で、在厩なら普段はそこで調整しているのだが、この日は最高ランクA1同士の併せ馬。野田より広い競馬場に運んで(30分ぐらいかかる)、ビッシリ追い切るというわけだ。

 根岸ステークス(2月1日。東京ダート1400m、GIII)に出走するサトノタイガー(牡7、父キングカメハメハ、※右写真)、ジョーメテオ(牡9、父ネオユニヴァース)が登場するとあって、取材陣が殺到……するわけないか(笑)。しかし、日曜東京メインの勝ち馬は栗東でも美浦でもなく野田にいた、は十分考えられる。





 管理の小久保師は、南関東bPトレーナー。かつては他場(大井・川崎・船橋)陣営に賞金を持っていかれることが多かった浦和から出現した、次代を担うエース調教師である。





 サトノタイガーの前走はカペラステークス(12月14日。中山ダート1200m、GV)。どうして7番人気なんて評価になったのかな? 日刊競馬のハナシ、◎〔好勝負〕で【公営馬分析】でもホメておいたでしょ、ワシが(記事担当だよ。今回の根岸Sも)。それは抜きにしても、JBCスプリント2着の後だったのにねえ。

 逃げたダノンレジェンドが圧勝して連下争いになったレースだったが、出遅れながら御神本騎手が冷静に外に持ち出して2着まで押し上げた。サトノタイガーは、あれが実力ではない。陣営、今度は相当硬くなっているかも……。ジョーメテオも前走の兵庫ゴールドトロフィー(12月24日。園田ダート1400m、交流重賞GV格)で大まくりを打って2着。去年の根岸ステークスは力を出し切れない形で小差6着。当時よりパワーアップしているから、こっちも混戦になれば際どいところまで突っ込んで来るかもしれない。

 出迎えてくれた(というか行ったら馬の到着前に競馬場にいた)小久保厩舎のマネージャー、梅村永二さんやサトノタイガーの追い切りに乗った橋本直哉騎手(小久保厩舎所属)に聞いてみると、特に強気という感じはしない。確かにワイドバッハの末脚は鋭いし、ロゴタイプがケタ違いだったら……とはいえ、併せ馬は迫力満点。「ちょっと太いかも」というジョーメテオを含めて、両馬ともデキは良さそうだ(内サトノタイガー、外ジョーメテオ。写真は弊社編集部地方課の佐藤匠=カメラマン兼運転手)。





 午前8時すぎ。調教時間としては遅い時間帯だったが、気温は3℃までしか上がらず、お〜ブルブルぢゃよ。風も吹いて非常に寒い中、手を震わせながら取材した。

 で、その結果はこうやってトラックマンが記者席で原稿にして(右が弊社の辻井光多郎、左がケイシュウNEWSの佐藤典生さん。ともに浦和競馬担当。原稿画像クリックで拡大)、まず浦和競馬場に提出。JRAに転送されて、広報部から全国各社に配信するシステムになっている。何でモザイクか? 中身を知りたい人は、当日版の日刊競馬をお買い求めください

 ……それで終わりぢゃ、このブログの意味がない。こぼれ話を書いておこう。

 一番強気だったのは小久保調教師。リップサービスもあるのかもしれないが、「とにかく勝ちたい。理想は1着同着」とのこと。「サトノタイガーは好不調が分かりやすい馬。元気一杯の今は、間違いなく調子がいい」「好位追走でも追い込んでも2着。1200mにああいう形で対応できるとは……。思っていた以上にスプリント能力が高い」と続けて、「鞍上の御神本騎手にも期待。彼は、ちょっと違うんですよ」とニヤリ。“違う”は単に巧いという意味ではない。何が違うか多少は分かるけど(笑)、他の騎手にはない異才があることを感じているのだろう。楽しみだなあ。主力の一角。

 ジョーメテオについては「折り合いが難しいので、前走のように一気に脚を使える展開は悪くない」。中央在籍時(東京ダートで連対なし)もそうだったが、この手の馬は東京コース向きとはいえない。だから、むしろ昨年みたいに“脚を封じられて”最後に伸びる形が案外いいのかも。まあ、前が止まっての話なんだけど。「スピードはヒケを取りませんし、今が最盛期という印象。しかし、9歳馬ですからね。ラストチャンスと思って仕上げました」。鞍上は、今年南関東リーディング1位の吉原騎手。3着付けとワイドで。

 勝利にこだわる小久保師には一種のオーラがある。「先々を見据えながら、目の前の勝負に臨む」と語った師にとって、今回の結果はともかく根岸ステークスは“通過点”。勝ち進めば、次にさらに高いステージが待っている。



 編集部内には「御神本訓史と吉原寛人は土日計16鞍騎乗。儲けます」と息巻いているヤツもいるからね。今週は小久保厩舎&地方騎手から目を離さないように!





(つづく・不定期更新)



〜 あとがき 〜

今回は速報で、馬券のヒントになれば……。好事記ではなく、普通の取材記事です。日刊紙の記者も来ていましたよ。スポーツ報知の坂巻昌二さん。朝は浦和、午後は川崎(川崎記念)。お疲れ様でした。

 今回もたくさんの方のお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。



(2015年1月30日)


【プロフィール】
田所 直喜(たどころ なおき)
 1964年(昭和39年)6月10日生まれ。
東京都国分寺市出身、今も在住。
1989年(平成元年)4月1日、日刊競馬新聞社入社。
本職は中央競馬担当の編集記者。

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