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   第28回 「イイネ!京王閣」

 4月4日(金)、大井競馬場でスマイルピース(3歳牡・佐野謙二厩舎)の復帰戦。 高野誠毅騎手の手綱で、外から一気に突き抜ける横綱相撲だった。チューリップ特別を制して4勝目、通算〔4.3.1.0〕。1月のゆきやなぎ特別でアピア(3歳牡・佐々木洋一厩舎、現在5戦4勝)を6馬身ぶん投げた強さは本物だ。今後については明言しなかった陣営も、重賞を意識しているのは間違いない。

(たど)「厩舎も今年8勝目。軌道に乗ってきましたか?」

(佐野)「私のことよりアナタ、早く自分のコラムを更新して

 いや、ネタ自体は結構あって(言い訳)、相撲博物館の学芸員を取材したり、中京地区で潜入調査をしたり。しかし、業者として競馬ファンの皆様に関心を持ってもらう必要があって、なおかつ自分も楽しめる取材は、やっぱりこれか。



 オフト京王閣、3月30日(日)オープン。



 東京都調布市にある京王閣競輪場内に、南関東競馬場外馬券発売所が誕生した。オフト伊勢崎は、オートレース場内。競輪場内となると京王閣が初めてである。会員制施設なので、利用するには所定の場所(オフト京王閣内)で入会手続きが必要となる。入会金は1000円、年会費無料で3年間有効。「1日あたり、約1円という計算です」と施設会社葛梔、閣の職員が解説してくれた。





 競輪場の特別観覧席バックスタンド3階部分を転用したもので、場内はゆったり過ごせる贅沢な空間。テーブル付きの椅子席も、並みの特観より造りは上だ。フロアの一部は、ホテルのラウンジをイメージしてもらっていい。確かにこれを遊ばせておくのはもったいないし、“1日1円”なら、たとえ馬券を買わなくてもお得感がある(理由は後述)。





 眼前は400バンクで、車券発売と時間帯が重なれば大型ビジョン(バンク外側1センター付近に設置)の中継はもちろん、本場開催ならナマで競輪のレースも見られる稀有な施設。手軽でも、インターネット中継ばかりぢゃ単調で飽きるでしょ。京王閣から1時間以内で行ける場所に職場か自宅があって、少しでも関心のある競馬ファンは、とりあえず会員になっておくことを強くオススメする。

 せっかくだから、東京オーヴァル京王閣も業者視点で体感したい。京王閣競輪の施行者は東京都十一市競輪事業組合。十一市の中には、我が国分寺市も入っている。事業組合主催の開催日ではなかったが、堂々と取材を申し込んで場内を撮影しても良かろう(笑)。赤いベストのプレス証だ。

 まあ、こっちはある意味よく知っているし、あまり書きすぎるとオフト京王閣の大井競馬関係者(事業組合とはライバルになっちゃう?)に怒られそうだから、写真を載せて説明したりとかはやめておく。

 ただ、今後の京王閣の展開を考えると、競輪場施設とオフト京王閣の連携は必須。そして、競輪場が参考になる点は多い。例えば、京王閣本場開催時はゴール前に1着選手を呼んでインタビューする企画があるが、ビックリするほど選手とファンを近づける。保安が心配になっちゃうくらいだが、息づかいまで聞こえてサービスとしてはうれしい。スタンド(ホーム側)も工夫されていて、ファンの動線に無理がない印象。難点は一般席が貧弱なことだが、場外発売が多く、激減した今の入場人員を考えると、苦しい中にも企業努力が感じられる。

 取材日は4月7日。競輪場では西武園記念の場外発売中だった。脚力bPの深谷知広や埼玉看板の平原康多らのスター選手が登場していたとはいえ、月曜場外で2500人超も入った。西武園は京王閣から工夫すれば電車とバスで1時間もあれば着く場所で、記念開催の本場入場は3300人。両方行ける人(筆者が該当)も少なからずいる立地でこの数字は、京王閣の居心地が悪くない証とも言える。調布から1駅、京王多摩川駅下車徒歩30秒。便利だもんね〜。

 一方、オフト京王閣は「完全会員制の上質な施設で新しい競馬の愉しみ方が始まります」と意気込んでいる。うまいことやれば、相乗効果で新しい形の公営競技発売施設になる可能性があるのでは……。


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