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   第20回 「スプリンターズSの外国馬」

リトルブリッジ(Little Bridge)

香港。せん馬6歳 ・鹿毛。2006年11月5日生、ニュージーランド産。



 ダニー シャム・チャップ=シン(沈集成)調教師は52歳。騎手としては大成できなかったが、引退した名トレーナーであるアイヴァン・アラン師の下で調教助手としてキャリアを重ね、安田記念を勝ったフェアリーキングプローンなどで来日経験は豊富。2003/04シーズンから調教師となり、一線級スプリンターであるリトルブリッジを擁した昨シーズンは香港リーディング8位となった。

 50歳すぎとは思えない精悍な体つき。リトルブリッジに毎日乗っているというのは納得だ。

 いろいろ質問が出て、それぞれに丁寧に答えていたシャム師。速すぎなくて明確な(笑)英語で、筆者も半分以上理解できた。レースに関しては「枠順が出てからパートン騎手と相談する。あとは天に任せて幸運を……」と天井を指差し、問答はほとんど状態面についてだった。

「前走は直線競馬だったので、ビッシリ仕上げて本番で筋力をフルに発揮できるようにした。今回は1200m戦。あまりテンションを上げすぎてもダメで、そのあたりは考えながら調整している」


「私が師事したアラン師は12日前に現地入りするのが恒例だったが、自分のやり方は違う」


「イギリス遠征の時も本当は5週間前から現地で調整したかったが、望み通りにならなくて。今回は9月11日(レースの19日前)に来日。それでもJRAのシステムは優秀で、うまく調整できている。感謝している」


「9月1日のバリアトライアル(01/09/2012 Batch1)の時点では80%の状態。正直、スプリンターズSを使うかどうか迷ったが、このレースに出すことはオーナーも私も以前から強く希望していたこと。遠征できて良かった」


 バリアトライアルとは実戦形式の模擬レースのような“調教”。映像を見ると、どうして80%なのかは分からないが(軽快に走っているように見える)、調教師本人が言うのだから間違いないだろう。そして現時点(9月27日)では「95%」とのこと。各種報道の通り、イギリス出走後の検疫(5週間!)、そして香港に帰ってからも2週間検疫。一旦状態が落ちたのは確かなようで、立て直してどこまで上向くか……である。

「日本の場合、厩舎を出てからレースまで、1時間20分ほどある。この間をうまく過ごして、最高の状態でゲートインさせることが肝心だ。対策として、馬場入り前、入念に歩かせている。馬に“あまり早くテンションを上げないように”と知らせるため」


なるほど。パドックや返し馬から目が離せなくなった。当日の気配に、ぜひ注目してほしい。


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