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   第16回 「新生中京、ウインズ浦和」

 3月3日(土)、改装中だった中京競馬場がグランドオープンする。新スタンド『ペガサス』も気になるが、テレビ越しに観戦する(ことが多い)関東圏の人間にとっては、新コースを知ることが最大の関心事。2月14日(火)に行われた内覧・試走会に筆者も顔を出してみた。

 あいにく当日は雨が降ってしまったが、最寄の名鉄名古屋本線・中京競馬場前駅から『フローラルウォーク』を歩いて行けば、ほとんど濡れることなく競馬場入り口まで着く。2005年(平成17年)、名古屋競馬株式会社の施工により完成した“花の遊歩道”。話では聞いていたが、以前に行った時(いつだったかな〜)にはなかった施設。地元ファンや関西の関係者にとっては当たり前なんだろうけど、これはありがたかった。なお、中京競馬場(近くの直営駐車場を含む)の施設運営と管理は、JRAの他競馬場とは違って名古屋競馬株式会社によって行われている。




 集まったのはメディア約33社、報道関係者約140名。JRA職員の説明を受けながら午前11時半、まず内覧会が始まった。パドック(大きくなった)、プラザeco(消費電力を抑えたエコスタンド)、膜屋根(光を10%通す)、かちうまビュー(東京競馬場のホースプレビューより枠場や検量室が近く、騎手インタビューも目の前で見られる予定)、パドックテラスの順に案内してもらった。


「スタンドはペガサス・ツインハット合計で約6150席(以前の収容人員は9095名)。最盛期の6〜7割の入場をイメージしています。“現状”に合わせた設計ですね」


 中京競馬場では弊紙日刊競馬を売っていないが、業者の論理は別にして、どの事業所にもたくさんファンが入ってほしい。JRAの場合、かかる費用や手間を考えれば、インターネットで馬券を買ってもらう方が効率がいいのは分かるけど、長い目で見ると……ね。スポーツクラブなんかもそうだけど、周囲にお手本がいて(そうじゃないのもいて)、“そうか。よ〜し、やってやる”って面があるでしょ。ディズニーランドを映像だけ見て済まそうって人はほとんどいないし(笑)、プロ野球やJリーグも現場で楽しむ人がいなきゃ盛り上がらない。

 午後1時すぎからは一番のお目当て、試走会。午後になっても雨が止まず、ジョッキーは雨具に身を包んで登場した。馬はこの日のために東京の馬事公苑から連れてきた馬で、それほどスピードは出さず、ゲートにも入れないでスタートするという。

 試走会からは、一般ファン約30名も1階フロアから見学に加わった。約40倍の抽選ということは、応募1200名程度の中から選ばれて招待された熱心な皆様。JRA職員に尋ねると、「東京からいらっしゃった方もいます」とのこと。現場派のファンは大切にしなくてはいけない。バスでコースを周囲を案内してもらったり、お土産までついていて、あいにくの雨とはいえ、なかなかの充実メニューだったようだ。

 芝の新コースは1周1706mで旧コースから110m延長。これは中山外回りより短く、JRAでは6番目の長さ。最後の直線距離は413mで京都外回りより長く、JRAで4番目。直線の坂はゴール前240mまでで、そこから先はほぼ平坦だが、数字を見ると勾配率は中山と大差ない2.00%の急坂。かつてはゴール前の50mに0.50%の緩やかな坂だから、見た目も一変している。直線は同じ左回りの東京を短くして坂の傾斜を急にしたイメージだ。

 ダートも直線に坂。1.14%の坂を上った後、最後の220mがほぼ平坦になっている。直線の長さは西日本最長、411mである。芝スタートは1400m戦。

 筆者は6階の日刊紙記者席にお邪魔した。各騎手とも“レース”をするわけではないので、いかにも感触を確かめているという乗り方。芝、ダートの順で行われ、直後に、かちうまビューで共同インタビュー会見が開かれた。この会見、少し離れたところで招待ファンも見学していた。



 福永騎手はポケットからのスタートになる1600mに関して「特に問題はないと思います」と語った後に「3〜4コーナーのバンクの角度が大きく感じました。これなら1200mで外枠からでも無理なく流れに乗れるのでは」と続けた。このバンクには複数の騎手が言及していて、他場が2%程度のところが中京は約3.5%。実際に乗った人間にとっては、どうやら一番気になった点らしい。

 直線の坂に関しては武豊騎手が「それほど急勾配には感じませんでしたが、実戦で乗ってみないと」。ダートも含めて生まれ変わった新コースだから、とにかくレースで走ってみてから……には違いない。 



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